耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科

当科で行っている主な診療

  1. 難聴の早期診断と早期支援

    新生児聴覚スクリーニングで要精検(リファー)とされた児の紹介が多く、聴性脳幹反応(ABR)やその他の検査で難聴と診断された場合、地域の支援施設と連携しながら、補聴器装用による聴覚学習を始めることになります。専門外来として、第2、4木曜午後に補聴器外来を行っています。

    当科で行っている聴力検査は聴性行動反応聴力検査(BOA)、条件詮索反応聴力検査(COR)、幼児遊戯聴力検査、標準純音聴力検査、語音聴力検査、ABR、ASSR(気導・骨導)です。

    御願い:ABR、ASSR検査は予約検査となっており、初診の日に検査をすることはできません。小児のABR、 ASSRは鎮静を要し時間がかかるため、検査可能数が限られ予約が大変混み合っております。キャンセルの場合は是非ご連絡下さい。

  2. 重度感音難聴に対する人工内耳手術

    重度感音難聴の場合、内耳(蝸牛)に細い電極を埋め込む人工内耳手術を選択する方が増えています。これは、耳にかけたマイクから音を拾い、内耳に埋め込んだ電極を通して聴神経を刺激し、音の信号を脳に伝えるという画期的な医療で、補聴器が有効でない重度の難聴にも有効です。
    補聴手段として人工内耳を選択するかどうかについては、日本耳鼻咽喉科学会の人工内耳適応基準をもとに、子どもたちが通っている療育・教育機関と連携をとりながら、ご家族と一緒に決めるようにしています。手術に対して迷いや不安をお持ちのご家族に対しては、手術、術後の言語訓練、発達などについて医師、言語聴覚士が何度でも相談にのり、必要に応じて訓練の見学を行っています。
    当センターでは、人工内耳植込術を2011年より開始し、2016年は20例の手術を行いました。当科ではなるべく切開創が小さくなる様に(約4cm)、また、髪の毛を剃らない手術法を心がけているほか、本邦耳科手術で多用されている血液製剤を使用しない選択肢もありますので、手術の際に申し出ていただければと思います(手術の状況でそうならない場合もありますので御了承下さい)。入院は4泊5日になります。
    人工内耳症例の場合、聴力のみならず全般的な発達、成長も重要になりますので、子どものこころの診療科、遺伝診療科などと連携をとりながらフォローを続けていきます。

  3. 慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎の診療

    慢性中耳炎の場合は手術が必須というわけではありませんので、症状、経過、年齢、家族の希望などを考慮して手術を決定します。真珠腫性中耳炎の場合は手術が必要になります。可能な場合は、内視鏡下に行なっており(Transcanal Endoscopic Ear Surgery,TEES)、以前に比べて傷が小さくて済むことが多くなっています。小児にとって耳の処置というのは大変嫌なものですので、患児の負担にならないように、術後の耳処置はなるべく少なく、またなるべく早い退院となるように心掛けています。経過良好であれば約5日で退院、1-4週間後に外来で外耳道の詰め物の抜去となります。退院後も外来での処置が必要となりますが、紹介元の先生にお願いすることも多くなっています。真珠腫性中耳炎のほとんどの場合は、再発、遺残の有無の確認のため、6-12ヵ月後に 2 回目の手術をしています。当科では、特に小児ということもあり、本邦の耳手術で多用されている血液製剤を基本的に使用しておりません(手術の状況でそうならない場合もありますので御了承下さい)。これは当科の耳科手術の一つの特徴といえると思います。

  4. 滲出性中耳炎の診療

    鼓膜チュービング(チューブ挿入術、留置術)を全身麻酔下に1泊2日の入院で行っています。内服、通気治療、年長児の術後フォローについては近医の先生方にお願いしています。

  5. 気道疾患(喉頭軟化症など)の診療

    もともと気道(空気の通り道)の狭い小児は、気道狭窄症状(典型的には、息をするときにゼーゼーと音がする)を来たしやすく、また、その原因として成人には無い疾患群があり、小児耳鼻咽喉科にとって重要な分野となっています。具体的には、喉頭軟弱症(喉頭軟化症)、声門下狭窄(先天性または挿管などによる後天性のもの)、声門下血管腫,喉頭蓋嚢胞、喉頭乳頭腫、声帯麻痺(反回神経麻痺)、声門後部固着、喉頭横隔膜などになります。
    正確な診断をするためには、全身麻酔下でのファイバースコープ検査や喉頭直達鏡検査が必要になることも多く、条件が許せば非挿管自発換気下での検査・手術を行っていることが当科の大きな特徴です。

    喉頭軟弱症(喉頭軟化症)に対しては、多くは経過観察のみで治療を要しませんが、哺乳障害や体重増加不良を伴ったり、挿管を必要とする様な重症の場合は声門上形成術、喉頭蓋固定術(レーザーを使用する場合もあります)を行っており、他に大きな合併症がない場合には非常に有効です。最近、上気道乳頭腫症例が散見されるようになっており、これらに対してはマイクロデブリッダーを用いた手術を行っています。

  6. 扁桃肥大、アデノイド増殖症(肥大)の診療

    これらに対する口蓋扁桃摘出術 (+アデノイド切除術) では、5日間の入院になります(アデノイド切除のみであれば3日間)。重度の睡眠時無呼吸や合併症があり手術および術後管理が困難と判断されるハイリスク例の手術も行います。

  7. 先天性頸部嚢胞性疾患の診療

    正中頸嚢胞(甲状舌管嚢胞)、鰓(溝)奇形(側頸瘻、梨状窩瘻)などがあります。感染を繰り返していれば疑わしいのですが、造影検査、CT、MRIなどの画像検査で簡単に捉えられないことがあり、なかなか診断の難しい例があります。

  8. 気管切開、喉頭気管分離術

    2,000 g以下の新生児から成人まで、当院で行われるすべての気管切開を、また、重症の嚥下障害、誤嚥に対して、喉頭気管分離術を行い、さらにその後のケアを行っています。気管切開後に生じた気管内肉芽については、気管支鏡を用いた切除を行っています。火曜(午前、午後)、木曜(午前)の気管カニューレ外来で約100名のフォローアップをしています。

  9. その他、先天性耳瘻孔、副耳、舌小帯短縮症、気道異物、先天性後鼻孔閉鎖、鼻ポリープ切除、外耳道異物、咽頭異物などの診療を行っています。

    気道異物については以下のトピックスの項目も御参考に。

診療科のご案内

耳鼻咽喉科 診療科のご案内 (PDFファイル815KB) >>

スタッフ紹介

職 名 医師名 学会認定資格等  主な所属学会等
主任部長 廣瀬 正幸 日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医
補聴器適合判定医師
補聴器相談医
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会
日本小児耳鼻咽喉科学会
日本気管食道科学会
日本耳科学会
耳鼻咽喉科臨床学会
日本聴覚医学会
医長 鎌倉 武史 日本耳鼻咽喉科学会認定専門医
日本耳鼻咽喉科学会認定指導医
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会
日本耳科学会
The International Otopathology Society (The Schuknecht Society)
非常勤医 岩本 依子 日本耳鼻咽喉科学会認定耳鼻咽喉科専門医
補聴器適合判定医師
めまい相談医
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会
日本めまい平衡医学会
日本耳科学会
日本小児耳鼻咽喉科学会
耳鼻咽喉科臨床学会
日本骨免疫学会
  米井 辰一   日本耳鼻咽喉科学会
日本鼻科学会

診療実績

外来・入院患者数

  2013年 2014年 2015年 2016年
初診患者数 958 848 879 922
再診患者数 9397 9683 12420 15523
入院患者数 387 393 381 510

聴力検査件数

  2015年 2016年
純音聴力検査 2129 2174
COR 1986 2159
ABR 413 429
Peep show test 327 439
BOA 132 179
遊戯聴力検査 340 420
ASSR 12 20
DPOAE 97 124
インピーダンス 76 77
耳小骨筋腱反射 11 3
 
補聴器適合検査 750 676
鼻咽頭ファイバー 277 364
喉頭ファイバー 215 248
中耳ファイバー 37 30
気管支ファイバー 232 221

手術統計

  手術名 2013年 2014年 2015年 2016年
気道 喉頭腫瘍摘出術 12 18 5 11
喉頭ファイバー検査 7 3 6 10
声門上形成術 2 4 4 5
喉頭粘膜焼灼術 10 18

5

3
喉頭直達鏡検査 7 2 1 2
喉頭蓋嚢腫摘出術 1 3   2
喉頭横隔膜症手術     5  
 
気管支ファイバー検査 12 13 15 24
気管支鏡検査 9 8 3 2
気管異物除去 1 2 1 1
気管支腫瘍摘出術 1      
 
気管切開術 26 16 14 23
喉頭気管分離術 14 10 9 11
気管口拡大術 5 2 11 5
気管口閉鎖術 3 2 2 1
頸部 硬化療法 4 2 1 5
甲状舌菅嚢胞摘出術 3 1 1 2
頸囊摘出術 2   2 1
頸瘻摘出術 1 1    
リンパ節生検     2  
口腔咽頭 舌小帯形成術 3 3   3
口蓋扁桃摘出術 131 120 124 119
アデノイド切除術 142 134 149 142
上咽頭腫瘍摘出術       2
咽頭異物摘出術       1
舌腫瘍摘出術       1
人工内耳植込術 9 7 4 20
 
鼓室形成術 28 43 24 40
乳突削開術 13 21 13 16
鼓膜形成術 1 7 1  
鼓膜チューブ挿入術(耳数) 254 296 374 503
鼓膜切開術 4 8 5 9
チューブ抜去術 7 2 4 5
 
顔面神経減荷術       2
 
ABR検査 10 7 5 9
耳垢辞去 12 7 20 17
外耳道形成術   1    
外耳道異物除去     5 5
外耳道真珠腫/腫瘍摘出     2 3
 
耳瘻孔摘出術 15 11 9 20
副耳切除術 7 3 1 4
鼻腔粘膜焼灼術 2 7 3 9
鼻中隔矯正術 1 2 5 3
後鼻孔閉鎖症手術 3   1 1
(粘膜下)下甲介(骨)切除術 6 3 5 8
鼻ポリープ切除 3 1    
その他の鼻手術 12 3 3 2