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医療関係の方へ

お知らせ

平成20年度からタンデムマスによる新しいスクリーニング研究を開始しています。

先天性代謝異常等検査について

  1. 先天性代謝異常等検査を申し込まれた方には原則として日齢4〜6日(出生当日が0日)で採血をおこなって下さい.
  2. 結果にかかわらず2度目の採血が必要な場合があります。

出生体重が2,000g未満 1.生後1ヶ月
2.体重が2,500gに達した時
3.医療機関を退院する時期
いずれか早い時期に2回目の採決を行ってください
哺乳不良※1 哺乳状態が改善された後2度目の採血をお願いします。

※ 飲み始めて48時間経過していない場合・ブドウ糖のみまたはガラクトース除去ミルクを摂取している場合等を含む

これらの場合はこちらから電話連絡を致しますが、採血用のろ紙は送付いたしません。 状態が改善された段階で2度目の採血をお願いします。

検査の流れと注意事項

  1. 保護者への説明と同意
    1. 申込書(大阪府又は堺市控えと母子センター控えの2枚)は必ず、ろ紙と同封してください。
    2. 申込書の治験研究調査欄は記入もれがないよう必ず確認して下さい。
  2. ろ紙への採血・記入
    1. 血液をろ紙につける際は必ず片面から丸印一杯に、裏面まで染みとおるようにしてください。
      (2度づけや裏表づけは再採血の原因となります)
    2. 汚染されたろ紙は使用しないでください。
      (粉ミルク、血液型判定試薬、アルコール、その他の液体などによる汚染がみられます。検査できませんのでご注意ください)
      フリガナはわかりやすく正確に、また記入もれのないようご記入ください。
    3. 感染症が疑われる場合は余白に記入してください。
  3. 送付
    1. 速やかに乾燥させ(温風不可)、採血後3日以内に専用封筒にて母子医療センターまで送付してください。
    保存期間が長くなるとガラクトース血症では疑陽性、その他の項目では疑陰性となる場合があります。
    (休日も検体の受け取り・保管は行っています)
  4. 結果
    1. ろ紙検体の到着後10日〜2週間程で結果を郵送いたします。
      結果報告書の見方 >>

■その他

  1. 現在おこなっている検査法では多くの抗生剤の影響はありませんが、一部の新しい抗生剤で疑陽性となります。
  2. ろ紙および申し込み用紙は地区の医師会にありますのでお問い合わせください。
  3. 開業・移転・名称の変更等がある場合は電話にてお知らせください。
  4. 各疾患の症状と治療法について >>

■お問合せ
大阪府立母子保健総合医療センター  代謝異常検査室
お問合せ電話番号:0725-57-4107(直通)  月〜金 9:00〜17:00

先天性代謝異常等検査の結果報告書の見方

正常 高い値は見られませんでした。
再検査中 ただいま検査中です。
もうしばらくお待ちください。
再採血 もう一度採血が必要です。
以下の理由が考えられます。
  1. 値が少し高い場合
     『少し高い=病気』ではありません。大阪府では1ヵ月に約100人の赤ちゃんがやや高い値になりますが、ほとんどは2度目の採血で正常値に戻ります。
  2. 何らかの影響で血液が変質し、検査ができない場合
  3. 血液が足りない場合
精密検査 値が高い状態が続いていると考えられますので、専門医療機関への受診をご案内 します。
検査担当者より主治医へ電話にて検査結果を報告致します。
その後、大阪府庁または堺市役所の担当者より保護者へ受診先についての連絡があります。

各疾患の症状と治療法について

注:ここに記載している情報はこれらの疾患のすべてを伝えているものではありません。
フェニールケトン尿症
原因 フェニルアラニン(たんぱく質を形成するアミノ酸の一種)は体内で代謝され チロシンという別のアミノ酸に変わりますが、この代謝に必要な酵素の異常 によりフェニルアラニンがチロシンに変換されずに体内に蓄積して発症します。
症状 出生時に症状を有することはほとんどありませんが、哺乳後(たんぱく質摂取後)3ヶ月頃から次第に症状が発症します。
出生後に無治療期間が長くなると、脳への障害が発生し知的障害、けいれん等の症状が見られます。またメラニン色素の欠乏による色白、赤(茶)毛 が見られます。
治療 治療はたんぱく質からのフェニルアラニンを除去することが必要となるので食事療法が必要です。乳児期においては、フェニルアラニンを調整した特殊ミルクを使用します。しかし、フェニルアラニンは成長には必要なアミノ酸なので、普通ミルクと併用することで血液中のフェニルアラニンを調整する必要があります。成長するにつれて食事制限の緩和も可能ですが、フェニルアラニンの調整は生涯に渡って必要となります。
新生児スクリーニング検査により早期発見のうえ早期に治療が開始できれば通常の発育が期待できます。
フェニルケトン尿症の女性の妊娠にあたっては、胎児の障害を予防するために専門医の治療・管理を受ける必要があります。このため、フェニルケトン尿症の女児をもつ保護者の方は、将来お子さんが子どもを産む年齢に達したら、妊娠する前に医師に相談されるようお子さんをご指導ください。

メイプルシロップ尿症
原因 メイプルシロップ尿症は、3種の分枝鎖アミノ酸(バリン・ロイシン・イソロイシン) 等の代謝ができなくて、これらのアミノ酸やこれらのアミノ酸に由来するα-ケト酸が体内に蓄積することで発症します。
症状 母乳中のアミノ酸が体内に蓄積することにより哺乳力低下、嘔吐、けいれん昏睡といった症状が現れます。α-ケト酸が尿や汗などに排出されることで特有のメイプルシロップの匂いがします。
治療 主に食事療法が一般的ですが、バリン、ロイシン、イソロイシンを含まない 特殊ミルクや制限食により栄養を補うことになります。
また、生涯にわたりこれらのアミノ酸を除去した食事療法が必要な場合があります。
新生児スクリーニング検査により早期発見のうえ早期に治療が開始できれば通常の発育が期待できます。

ホモシスチン尿症
原因 ホモシスチン尿症はメチオニンというアミノ酸を代謝する際に必要な酵素に異常があり、ホモシスチンというアミノ酸を発生し尿中に大量排泄される疾患です。また、メチオニンを代謝しきれなくて血液中のメチオニン濃度が高くなることも知られています。またホモシスチン尿症以外にも血液中のメチオニン濃度が高くなる疾患もあります。
新生児スクリーニング検査では血液中のメチオニン濃度を測ることによりホモシスチン尿症を発見していますが、最終的にホモシスチン尿症以外の疾患の診断が下りる可能性もあります。(肝障害・高メチオニン血症等)
症状 出生時は無症状の場合がほとんどで出生後の無治療期間が長くなると知能障害、水晶体亜脱臼、骨格異常、血栓症、塞栓症等が発生します。
治療 治療は、メチオニンを除去した食事療法が一般的です。乳児期にはメチオニンを除去した特殊ミルクを使用します。しかしメチオニンも発育には必要なアミノ酸なので、普通ミルク等も用いて血液中のメチオニン濃度をコントロ ールすることが重要です。
また、ビタミンB6を併用することで食事療法を緩和できる場合もあります。
新生児スクリーニング検査により早期発見のうえ早期に治療が開始できれば通常の発育が期待できます。

ガラクトース血症
原因 ガラクトース血症とは、ガラクトースが体内で代謝される際に必要な酵素の欠損(異常)によりガラクトースが体内に蓄積してしまうことで特有の症状を発症する疾患です。
ガラクトースとは糖を構成する乳糖の成分であり、母乳やミルクや乳製品等に含まれています。
ガラクトース血症には欠損している酵素の種類によりT型、U型、V型の3種類に分類することができ、それぞれに特有の症状が認められます。
症状 T型:新生児期から哺乳力低下、体重減少、肝腫、黄疸等がみられ肝硬変を発症し感染症で死亡することもあります。また早期の内に白内障を伴う場合があります。
U型:白内障が主な症状です。
V型:ほとんど無症状です。
治療 食事療法が一般的です。具体的には乳糖を含む食品の摂取を中止し、代わりに無乳糖特殊ミルクを摂取します。離乳期以後は乳製品及びそれを含む食品の摂取を禁止し、加工されていない穀類、いも類、果実、油脂、肉類(レバーは禁止)、魚類、卵、海草、野菜、砂糖を使用した食事療法を実施します。
また、乳糖については生涯避けなければなりませんので食事療法は生涯続ける必要があります。
新生児スクリーニング検査により早期発見のうえ早期に治療が開始できれば通常の発育が期待できます。

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
原因 クレチン症は喉のあたりにある甲状腺から甲状腺ホルモンがうまく造られなかったり、量が不足することによっておこります。
甲状腺ホルモンは人間にとって必要不可欠なホルモンであり、これが不足すると脳の発達障害等が発生します。
症状 生後1ヶ月頃のクレチン症には次のような症状が認められ、3〜4項目に該当するとクレチン症が疑われます。
□長期的な黄疸
□2日以上続く便秘
□臍ヘルニア(いわゆる『でべそ』)
□体重増加不良
□皮膚乾燥
□活動不活性
□舌が大きい
□泣き声がかすれている
□手足が冷たい
□浮腫がある(むくんでいる)
□小泉門(頭蓋骨後部の凹み)が大きく開いている
□甲状腺種
治療 治療は甲状腺ホルモンの補充療法が一般的です。
新生児スクリーニング検査により早期発見のうえ早期に治療が開始できれば通常の発育が期待できます。

先天性副腎過形成症
原因 先天性副腎過形成症(CAH)とは、21-水酸化酸素欠損(以下21-OHDという)、リポイド過形成、11β-水酸化酵素欠損、17α-水酸化酵素欠損、3β-水酸化ステロイド脱水素酵素欠損という病形の総称で新生児スクリー ニング検査ではこのCAHの約90%を占める21-OHDを対象をしています。 この21-OHDには、臨床症状に電解質代謝異常を伴うか否かで塩喪失型と単純男性化型と病型未確定型に分けられています。
*以下の説明は、21-OHDについての説明になります。
21-OHDは、副腎でコレステロールを原料にしてコルチゾル、アルドステロ
ン、アンドロゲンというホルモンを分泌する際に21-水酸化酵素を必要とし
ますがこの酵素が欠損していることにより特有の病態・症状を発症します。
症状 塩喪失症状・副腎不全症状
    アルドステロンの不足等により出生後まもなく哺乳力低下、体重増加
    不良が認められます。そして嘔吐、下痢、脱水、末梢循環不全と症状
    が進行しショック状態から死亡に至ります。2〜3週間で多くの例が危
    篤状態に陥ります。
男性化症状
    アンドロゲンの分泌過多の状態が存在すると、女児では性分化異常
    をきたし、外性器の男性化現象が見られます。また胎児期より男性化
    現象は発生し、男性化症状が認められる形で出生する場合もありま
    す。一方、男児では新生児期に外性器の発達を認める場合は少なく
    陰茎の肥大傾向を見る程度です。
    出生後に無治療期間が長期化すると次第に幼児期に陰毛が出現し
    たり陰茎、陰核の肥大が進行するなどの症状が見られます。
皮膚色素沈着
    全身皮膚にびまん性の色素沈着を認める場合があり、出生時に多く
    見られます。
治療 21-水酸化酵素が欠損することにより不足するホルモン(グルココルチコイ
ド)を補充します。このホルモン療法は生涯に渡っての治療が必要です。既
に、様々な症状が出現している場合は輸液およびホルモン療法を併せて行
います。男性化現象により外性器に異常が見られる場合は、外性器形成 術(手術)を行います。外性器の手術は記憶を残さないように3歳頃までに 行います。
21-OHDに関しては新生児スクリーニング検査により早期発見のうえ早期
に治療が開始できれば通常の発育が期待できます。